先に結論を言ってしまうと、自己肯定感とは「ありのままの自分を肯定する感覚」のことです。
読んで字の如くですね。
しかし、具体的にはどんなものなのか想像しにくい方もいるかと思います。
そこで、今回の記事では以下の点について書いてみようと思います。
自己肯定感とは
自己肯定感は、英語では「self-esteem」と表します。
self-esteem
self-esteem - Cambridge Dictionary
belief and confidence in your own ability and value
自分の能力や価値に対する信頼や自信
つまり、尊大なプライドやうぬぼれのようなものではなく、
ありのままの自分でいい
と、自分の価値を認めて肯定する感覚が近いと思います。
具体的な感覚
それでは、具体的にどういった感覚になるのでしょうか。
「自分を肯定する感覚」にも色々な種類があります。
パッと見て、自分にはこれが足りないとすぐ分かる人もいれば、分からない人もいるかと思います。
次に、自己肯定感が低いとどのような感覚が足りないのか、さまざまなタイプに分けて解説していきます。
低い人の特徴
自己肯定感が低いと、行動や思考パターンに特徴がでてきます。
それぞれの特徴ごとに、どのような自己肯定感が低くなっているのか見ていきます。
イメージしやすいように「〇〇タイプ」と分けました。
一人でいくつかのタイプを持っていたり、状況によって出てくるタイプが変わることもあります。
このタイプだから悪いということはないので、自分を責めたり落ち込む必要はありません。
気付くところから少しずつ変わっていきます。
あまり重く受け止めず、「自分はどんな傾向があるかな?」と、自分自身に聞いてみましょう。
-
【体験談】やり方を間違えると効果なし?自己肯定感を高めるための5ステップ
続きを見る
新しいことに挑戦しづらい
新しいことに挑戦しようという意欲が湧かなかったり、興味はあっても一歩が踏み出すことに抵抗がある、消極タイプです。
- 挑戦して上手くいっている自分がイメージしづらい
- 新しいグループで人間関係を構築するのが苦手
- 勇気を出して腰を上げるまでに時間がかかる
一度挑戦しても途中で失敗すると意気消沈して次の挑戦を躊躇ってしまうこともあるかもしれません。
①自分を信じる感覚
②自分ならできるという感覚
が弱くなっている可能性があります。
他人の顔色を窺ってしまう
人に嫌われたくない、否定されたくない、という気持ちで自分を抑えてしまう、リスク回避タイプです。
- 自分の意見に自信がなく、他人の意見の方が優れていると思う
- 自分の意見を出して、それを否定されるのが怖い
- 相手が気分を害してしまうかもしれなくて怖い
自分を守ろうとして初めから発言や行動を控えてしまいます。
DVやモラハラ、教育ママの元で育ったなど、自分を否定され傷ついた経験がある方もいるかもしれません。
①自分を信じる感覚
③自分に価値があると思える感覚
⑤ありのままの自分を認める感覚
が弱くなっている可能性があります。
他人に依存してしまう
このタイプは、上の「他人の顔色を窺うタイプ」と似ているところがありますが、細かく言うと2種類のタイプに分けられると思います。
●自分を持たず相手に全てを委ねる完全依存タイプ
- この人についていけば私は大丈夫
- この人がいないと私はダメになると思う
●相手を通して自分の存在意義を見出す共依存タイプ
- この人は私がいないとダメだと思う
- 誰かに必要とされている自分に安心する
どちらも「自分軸」がなく「他人軸」になってしまっているのが特徴です。
誰かがいないと自分じゃないといった感覚を持っています。
①自分を信じる感覚
⑤ありのままの自分を認める感覚
が弱くなっている可能性があります。
共依存タイプでは、上記プラス
「④自分は誰かの役に立っている感覚」が高くなりすぎている可能性もあります。
他人と比較してしまう
他人と比べて自分の悪いところばかり見て卑下してしまう、セルフ自虐タイプです。
- 自分は人と比べて劣っていると感じる
- 他人の良いところを見て真似しようと思うより、自分の至らなさの方に意識が向く
- 他人を羨ましいと感じたら、「あの人は家がお金持ちだから…」と自分を納得させるための理由を探す
周りがよく見えていて憧れの対象などを持っていることもありますが、すぐに自分の足りないところに目がいって落ち込んだりします。
他人は自分とは別の生き物のように分離して考えがちです。
①自分を信じる感覚
③自分に価値があると思える感覚
⑤ありのままの自分を認める感覚
が弱くなっている可能性があります。
自分を優位に見せたがる
意外かもしれませんが、自信満々に見える人も、自己肯定感が低さの裏返しで態度に出ている場合があります。
SNSの普及で気軽に個人のプライベートや意見を発信できるようになり、近年よく見るタイプです。
こちらも2つに分けてみます。
●他人から尊敬を得て自分の価値を上げたい、自慢マウントタイプ
- SNSでキラキラした自分の生活などを投稿する
- 執拗に自慢話を繰り返す
- 自分の地位や学歴などでマウントを取る
- 自分より注目を浴びている人がいると不機嫌になる
●周りの人を貶めることで自分の地位を守ったり力を見せたがる、他人下げタイプ
- 自分より弱いと見た相手をいじめる
- 他人の揚げ足ばかり取る
- 自分より上に行こうとする人の足を引っ張る
- 人や物の粗探しをするクセがある
どちらも、やり方は違えど「自分の凄さを見せたい」という気持ちが全面に出ています。
①自分を信じる感覚
③自分に価値があると思える感覚
⑤ありのままの自分を認める感覚
が弱くなっている可能性があります。
高い方がいい?
自己肯定感は、高ければ高いほど良いというものでもありません。
他人に依存してしまう共依存タイプに見られたように、自分は誰かの役に立っている感覚が強すぎるのも問題です。
自分のことがおろそかになったり、周りが見えなくなったりと、極端な自己犠牲になってしまいがちです。
自分ならできるという感覚が行き過ぎると、論理的な思考をおろそかにしてしまい、無謀な賭けに出てしまうこともあります。
高すぎても低すぎてもどこかで弊害が出たり損をしてしまう、もったいない生き方になってしまいます。
「健全な」自己肯定感を育てよう
自己肯定感には5種類の感覚があるとお伝えしました。
- 自分を信じる感覚
- 自分ならできるという感覚
- 自分に価値があると思える感覚
- 自分は誰かの役に立っているという感覚
- ありのままの自分を認める感覚
5つの感覚をバランス良く育てることで、健全な自己肯定感を手にいれることができます。
自己肯定感は、「バランス良く・程よい高さ」を目指すのがベストです。
まずは気付くところから
一朝一夕ですぐに変えられるものではないかもしれませんが、まずは自分を見つめ、自分を知るところから始まります。
- 今自分の意見を言えなかった。なんでだろう?
- あ、今〇〇さんのことだけ考えて自分のことを蔑ろにしてた……なんでだろう?
- 自分の過去の栄光を長々と話しすぎたな……なんでだろう?
日常のふとした瞬間、気付くこと。
「なんでだろう?」と自分に問いかけてみること。
メモしておくと自分の思考のクセが見えてきて、どこのバランスが崩れているのか分かりやすくなります。
自己肯定感を上げていく時に役立つので、ぜひ日々の気付きメモ、お試しください。
-
【体験談】やり方を間違えると効果なし?自己肯定感を高めるための5ステップ
続きを見る
さいごに
今回は、自己肯定感とは何か、高低による弊害や目指すところについて、感じるところを記事にしてみました。
自分は他人の上でも下でもない。
自分と他人は同等の、大切な人間である。
こんな風に、自分も他のみんなも平等に考えられるようになると、もっと穏やかで平和な世の中になるかもしれませんね。
私も日々精進しようと思います。
ご縁あって来てくださったあなたの幸せをお祈りしています。
この記事があなたにとって、少しでもヒントや癒しになりますように。