- 自分に自信がない
- 自分は何をやってもダメだ
- 新しいことに挑戦するのが怖い
- 他人と自分を比べて落ち込む
一つでも当てはまるものがあれば、あなたは自己肯定感が低いのかもしれません。自己肯定感が低いと、QOL(生活・人生の質)も上がりにくく、生きづらく感じることもあります。
筆者自身とてもネガティブで、自分を変えたくてトライ&エラーを繰り返してきました。
そして気付いたことがあります。
「自己肯定感を上げるには、やり方と順番を工夫しないといけないのかもしれない」
この記事では、「私個人の体験談や失敗談」を交えながらお伝えしていきます。
自己肯定感を高めるための一般的な方法
自己肯定感が低い人は、自分に対してネガティブな認識を持っています。
自己肯定感を高めるには、その認識を変えるだけ。自分を否定するのをやめて肯定的になればいいだけです。
……言うは易し行うは難しですよね。
まず、一般的に言われる方法を一部あげてみます。
- 自分のいいところを書き出す
- 小さな成功体験を積み重ねる
- 何事も前向きに考える
- ネガティブな発言はしない
- 他人の目を気にしすぎない
- ネガティブな自分も受け入れる
- アファメーション(私はできる!などポジティブな宣言)を繰り返す
ネガティブをポジティブ変換していて、どれも良い方法に見えます。
自分にあったものを実践して、
「自分に自信を持てるようになった!」
「効果バツグンだった!」
という方もいるでしょう。
しかし、実際は以下のように、効果を感じない方や伸び悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
とてもよく分かります。
3歩進んで2歩下がる、で着実に1歩ずつ進んでいればまだいいんです。
しかし、私の場合はもとの場所に戻っていくだけで前に進んでいる実感がありませんでした。
試行錯誤を繰り返し、「昔に比べるとポジティブに考えられてるかも…?」と思えるまで何年も何十年もかかりました。
それでも、私はこう言いたいです。
あなたも変われます!
それでは、なぜ今まで効果が出にくかったのでしょうか。
まずはその原因を探ってみます。
効果が出ない理由と対策
「自己肯定感を高める方法」は、ネットで検索すると3〜400万もヒットします。
これだけ情報があるのに効果を感じる人はひと握りで、まだまだ悩んでいる人が多いのはなぜでしょうか。
私が失敗を繰り返して感じた「効果が出にくい理由」と「それに対抗する方法」を書いていこうと思います。
問題に取りかかる前に、傾向と対策を知っておきましょう。
染みついた「自分像」がしぶとい
あなたが今考えている「自分とはこういうものだ」という「自分像」は、何年、何十年とかけて作られていきます。
そして、それは主に「他人からの言葉や態度」から生まれます。
他人からの言葉・態度
- 「うちの子は何をやるのも人より遅くて〜」
→私は人より遅いんだ…… - 「どうしてこんな簡単なことも分からないんだ!」
→私は簡単なことも理解できない人間なんだ…… - 「あの人ちょっと変わってるよね」
→えっ!私は他の人と違って変!? - 無視、仲間外れにされる
- 失敗を笑われる、人前で怒られる
こうして生まれた「自分像」は、似たような状況を繰り返すたびに強化され、意識の奥深くに刷り込まれます。
自分像が生まれる時には、大抵の場合、
「恥ずかしい」「悲しい」「寂しい」
などの強烈な感情がセットになって、さらに深く刻まれていきます。
そして、長い時間をかけて積み重ねてきたものは、簡単にくつがえすことは難しいと思われます。(この”難しい”という考えも、刷り込まれた常識の一部なのですが、今回は割愛します)
小さな成功体験やアファメーションを少ししたくらいでは、一回失敗してしまうと「やっぱり私はできないんだ……」と「今までの自分像」に引きずられ、簡単に元に戻ってしまいます。
マイナスをプラスに変えるには
ちょっと強引かもしれませんが、ネガティブな意識を「汚れ」などに例えてみましょう。
こんな時、あなたならどうしますか?
- お風呂のお湯が汚れて濁っている
- 料理中にアクが出てきて、味は苦く舌触りも悪くなっている
お風呂なら、汚れを薄めるためにキレイなお湯を継ぎ足すこともできます。ただし、それには大量のキレイなお湯が必要です。
料理なら、アクを撹拌してごまかしたり、苦味を感じないくらい調味料を入れることもできます。ただし、それには大量の調味料が必要です。
しかし、ほとんどの方は別の方法を取るのではないでしょうか。
お風呂は、汚れたお湯を捨ててから新しいお湯を張ったほうがキレイになります。
料理も、アクを捨ててから味を整えたほうが美味しくなります。
自己肯定感も同じで、大量のポジティブでネガティブを覆い隠してもいいかもしれませんが、一度ネガティブに向き合って対処したほうが早いのではないかと思いました。
あとでお風呂に浮かんだ髪の毛や水垢にギョッとしたり、アクの塊?が口に入って「う"っ」となりたくありません。
同じように、隠したネガティブ意識がぶり返して、嫌な気持ちに引き戻されたくありません。
最初にできる限り汚れを取っておいた方が、あとで汚れに遭遇する確率も低くなりますし、精神衛生上も良い気がしませんか?
そこで私が提唱するのは、次のようなステップです。
5つのステップ
現状を把握する → マイナスからゼロに近づける → 一度立ち止まる → プラスに持っていく
はじめに、ネガティブ意識という汚れをできる限り取っておく。
まずはマイナスをゼロに近づけようという作戦です。
これをさらに分解して、以下の5ステップにしました。
- 気付く
(現状を把握する)
・自分が自分をどう認識しているのか知る
・どんな感情を持っているのか知る - 浄化する
(マイナス→ゼロ)
・ネガティブな意識や感情を吐き出す
・ネガティブ浄化ワーク - 癒す
(マイナス→ゼロ)
・今までの自分を労る - 認める
(ゼロの状態で一度立ち止まる)
・自分を受け入れる - 褒める
(ゼロ→プラスへ)
・自分を褒める
気付く
(現状を把握する)
・自分が自分をどう認識しているのか知る
・どんな感情を持っているのか知る
ステップ1では、今の自分をよく知り、自分に対する認識や感情に気付くことです。
自己認識の例
- 決めたことが続かない。そんな自分が情けない。
- 他人の目を気にして自分の意見が言えない。
自分の至らない面。ネガティブな側面。
あらためて探したり、気付かされるのは結構しんどいです。
ネガティブな過去の経験を思い出してしまうこともあります。
ここでいかに自分と向き合えるかが肝心です。
どうしても辛いときは、まだそのタイミングではないのかもしれません。
日を改めて取り組んでも大丈夫です。
あなたのペースでゆっくり進めましょう。
浄化する
(マイナス→ゼロ)
・ネガティブな意識や感情を吐き出す
・ネガティブ浄化ワーク
ここでは、ステップ1で出てきたマイナスの自己評価やネガティブな感情を自分の体から排出していきます。デトックスです。
ネガティブ浄化ワーク
用意するもの
- 紙(破って捨ててもいいもの)
- ペン
- 紙に、自分に対する認識や感情を書き出す
ステップ1で出てきたものを書きます。
感じた気持ちもセットで書くとGOODです。
このとき、自分の中にあるマイナス認識・感情を紙に移すような気持ちで書きましょう。 - 紙を破り、ゴミ箱に捨てる
「この自分を手放します。さようなら」と別れを告げる気持ちで破り、ゴミ箱に捨てましょう。
「『〜という気持ちで』ってあるけど、これって必要なの?」と思いますよね。
実はこの、自分の体から引き離す気持ち・イメージがとても大事です。
頭や胸の中にあるネガティブやモヤモヤを紙に移して、気の済むまで細かく破り「さようなら」
ぜひ試してみてください。
ネガティブな気持ちを言語化できないときは
言語化できないときには無理しなくてもいいのです。そんなときは、非言語で吐き出してみましょう。
- 「はぁ〜〜」と深いため息を吐きながら、そのネガティブな息を紙に乗り移すイメージ。
- 紙に、自分の気持ちの赴くままにグルグルとペンを走らせる。自分のネガティブなもの・モヤモヤを紙に移す。
最後に紙を破って捨てるのは同じです。
この非言語ワークは、こんなときにも使えます。
- 疲れていてじっくり自分に向き合えないとき
- むしゃくしゃしているとき
「非言語の吐き出しワーク」を続けていると、そのうち言葉で表せるようになってくるかもしれません。
そのときは、「ネガティブ浄化ワーク」に再チャレンジしてみてください。
癒す
(マイナス→ゼロ)
・今までの自分を労る・癒す
ステップ1・2を終えて、自分が抱えていたネガティブな認識や感情に気づけましたか?思った以上にたくさんあって驚きましたか?
そうです。あなたは今までずっと一人で悩みを抱えて苦しんできたんです。
そして今、それを手放し始めています。
ここまで頑張ってきたあなた自身を労り、心を癒していきましょう。
やり方
イメージしてみてください。
目の前に、自分に自信がなくて、感じなくてもいいネガティブな考えを持って体育座りしている過去のあなたがいます。
今のあなたが、過去のあなたに声をかけてあげてください。
- 辛かった時にかけて欲しかった言葉
- 感謝の言葉
- 自分が安心できる言葉
何でも構いません。
過去のあなたに寄り添って、心から出てきた思いを伝えてください。
- 一人で耐えて苦しかったよね。でももう大丈夫だよ。
- 誰にも頼れなくて辛かったよね、一人で頑張ってくれたんだね。
- よしよし、大丈夫だよ。よく頑張ったね。
- 辛かった気持ちを今の私に頑張って伝えてくれたんだね。ありがとう。
- あなたが必死に耐えてくれたおかげで、今こうして私は生きているよ。ありがとう。
自分の方に腕を回したセルフハグのような格好で言葉をかけてあげるのも効果的です。
認める
(ゼロの状態で一度立ち止まる)
・自分を受け入れる
ステップ3で自分を労り、あなたは癒され始めました。
ステップ4では一度立ち止まって余韻に浸ってみましょう。
ここでは、以下の2段階に分けて自分を見つめてみます。
- ステップ3の言葉を受け止める
- 始めのころの自分と今の自分を比べる
まず、ステップ3であなた自身にかけた癒しの言葉を、あなたの身体にじっくり染み込ませてください。
- あぁ、確かに一人で頑張ってたんだな……
- 口には出さなかったけど私は本当は寂しかったんだな
- 本当に自分にありがとうだな〜
こんな気持ちが出てきたら、あなたは自分を受け入れ始めている良いサインです。
身体感覚の強い方は、心が「じわ〜」とか「じ〜ん」と暖かく感じるかもしれません。
次に、ステップ1の頃の自分と、今の自分を比べてみてください。
変化があるかどうか、自分の心や身体をじっくり観察してみましょう。
- 今は以前より自分のことを冷静に見られるようになっている
- 落ち込んでネガティブになっていたが、少し落ち着いて穏やかな気持ちになっている
ほんの少しの変化でも、それは大きな変化につながる第一歩です。
褒める
褒める
(ゼロ→プラスへ)
・自分を褒める
ステップ4で変化を感じられましたか?
あまり感じられませんでしたか?それでも大丈夫です。
自分を変えたいと思って少しでも腰を上げたのなら、それも大きな一歩ですよ!
- 自分と向き合おうと頑張っただけで十分えらい!
- 変化を感じられる私すごい!
- 自分のことを少し受け止められて、私進歩してる!!
ここまできた自分を褒めてあげましょう。
ネガティブは一度では取れない!?
一つネガティブな認識や気持ちを取り除くと、その奥に隠れていた別の(または似たような)ネガティブな認識が現れてくることがあります。
「やっぱり変わってない……」
「このまま終わらないんじゃないか……」
とネガティブに考えずに、
「あら、ここにまだいたのね」
と、俯瞰で見てみてください。
ネガティブな認識や感情をちょっと他人事のように見ることで、
「自分」とは別に存在する何かだ、と切り離して考えられるようになってきます。
ぜひ、普段からこの「俯瞰で見る意識」で過ごしてみてください。
さいごに
今回の「自己肯定感を高めるための5ステップ」は筆者オリジナルの順序ですが、私自身まだまだ修行中(?)の身で、もっと良い方法があれば随時改良していきたいと思っています。
ご縁あって来てくださったあなたの幸せをお祈りしています。
この記事があなたにとって、少しでもヒントや癒しになりますように。