
Kindle Unlimitedで軽く読めそうな小説を探していたときに見つけた本が、思いがけず心にズバズバ刺さって、ボロボロと泣きながら一気読みしてしまいました。
引き寄せの法則に触れた方なら必ず聞くであろう、
「ご機嫌でいる」
「今あるものに感謝する」
など、スピリチュアルな考え方に通じるところがあり、考えさせられました。本のレビューやまとめなどは初めてですが、記事にしてみたいと思います。
あらすじ

主人公は、歩合制の保険営業をしている中年男性。
仕事上の不運で来月から収入もボーナスも大幅に減る予測。
それを言い出せずストレスを抱えている中、何も知らない妻は海外旅行の予定を楽しみにし、娘は不登校、実家で一人暮らすの母からも気になる電話が。
金銭的にも精神的にも追い詰められ一人こぼす。
「……なんで俺ばっかりこんな目に遭うんだよ」
そんなとき、目の前にタクシーが近づいて……
「運」を「転」ずるのが仕事だという運転手との出会いによって、主人公の人生が変わっていく──
この本の特徴

運を変える不思議なタクシー。
「未来を変える過去からの使者」と表紙にあるように、過去から現在そして未来に続いていく、時代を超えた物語です。
タイムトラベル物ではないですが、時間を超えて「あること」で繋がっているので、SFフィクションと言ってもいいかもしれません。
ここでは簡単にこの本の特徴を3つ挙げていきます。
1.主人公に共感しやすい
「自分にはこの仕事が合わないのでは」
──仕事でのミスや不運が続くと、誰しもこのように考えてしまうことがあります。
この本の主人公も同じように考えている一人。
仕事はうまく行かず、家庭内の問題でも心労が増えていく。
そんな状況で、心に余裕が無くなりイライラが態度に出てしまう。
思わず共感できてしまうので、主人公に感情移入しやすく物語にスッと入り込むことができます。
2.リズミカルな会話とミステリー性
「御任瀬卓志」(おまかせタクシー)というふざけた名前の運転手と、イライラしている主人公。苛立ちを隠さない主人公の言葉を運転手がひらりひらりと交わしていく様子が面白く、読み進めるのが楽しくなってきます。
この運転手は、見た目は高校生くらいの若さ。
ひょうひょうとした語り口で、主人公の名前から家庭・仕事の問題に至るまで、話してもいない個人情報をスルっと会話の中に織り交ぜてきます。
人知を超えた運転手の謎が、中盤から後半にかけて徐々に見えてくるのも面白い!
小説に慣れていない人でも読みやすい、どんどん引き込まれていくストーリーです。
ちょっとおどけているけど憎めない人と翻弄されるカタブツの会話って楽しいですよね(笑)
3.自然と自分を見直せるストーリー
毎日の心のあり方などを説く自己啓発の要素もありながら、そこまで説教くさくない。
読んでいるだけで自然と自省が促されて、これからの生き方を見直したくなる、程よいバランスで書かれていると思います。
いかにも自己啓発!スピリチュアル!な本は手に取りにくい…という方でも手に取りやすく、フィクションとして楽しみながら考え方を変えるきっかけにしやすい本です。
この本から学べたこと

本の内容を「引き寄せ」や「開運」に関係するポイントに絞って4つにまとめました。
- 機嫌よくいること
- 運はポイント制
- 運が変わるターニングポイントとは
- 運を貯める方法
「上機嫌でいること」と、その効果
人には、運が劇的に変わるときをキャッチするアンテナがあり、アンテナの感度が最大になるのが「上機嫌」のとき。イライラして不機嫌なときにはアンテナが働かないそうです。
確かに、仕事にしてもプライベートにしても、常に不機嫌な人と積極的に会話したいとは思わないですし、何かいい話やお誘いをするとしたら、ニコニコして穏やかな人や一緒にいて楽しい人に声をかけたくなります。
機嫌よくいることで、運が変わるチャンスが舞い込みやすくなり、そしてそれに気付きやすくもなるということですね。
運はポイント制
同じことをしていても良い結果が出る人と出ない人がいて、それを私たちは「運が良い人」「運が悪い人」とラベリングしています。
しかしこの本いわく、運に良い悪いは無く、ポイントと同じで先に「貯めて」から「使う」ものなのだそうです。いわゆる運がいい人は「貯めた運を使った」だけ。
努力してすぐ結果が出る人を見て、「ズルい!私は結果が出なくてツイてない!」と思いがちですが、結果が出ていないのは運を使っていないから。つまり今は「貯めている」だけで「あとでもっといいことが起こる」ということ。
そう考えると、少し気が楽になりそうですね。
ターニングポイントはその場では気付かない
上機嫌で運の転機をキャッチしやすくなることが分かりました。ここでトリッキーなのが、ターニングポイントが何なのかその場では分からないということ。
結果を決めつけたり、損得勘定で動くのはNG。結果を期待して機嫌よくいることは、ただの「機嫌がいいふり」だから。期待通りいかなかった時にガッカリしたり不機嫌になってアンテナが働かなくなります。
人生のターニングポイントはその場では気付かず、あとになって「そういえばあそこから始まったな」と気付くもの。それくらい、思いも寄らないところに「奇跡を起こす種」が転がっています。
思いも寄らないということは、普段の自分なら興味を示さないようなところに種があるということ。つまり、自分とはかけ離れたものであっても「興味を持つ」ことが大事。
「なるほど、上機嫌でいるというのは、楽しいことを期待するのではなく、起こることを楽しむと決めるということなのかもな」
喜多川泰『運転者 未来を変える過去からの使者』
「運を貯める」方法
運を貯める方法の一つはとってもシンプル。毎日上機嫌で生きるだけ。
それは、「塵も積もれば山となる」と例えられるように小さな貯金(貯運?)でも、毎日不機嫌な人と比べると、1年間で貯まる運の量はどうあがいてもひっくり返せないくらいの差になるそうです。
そう聞くと、「今までの人生で上機嫌でいた日なんて数えるほどしか思い浮かばない…」「貯運ゼロだろうから、もっと山のように運を貯めたい」という私のような方もいると思います。そんな方のために、運をたくさん貯める方法があります。
一気にドカンと運を貯める方法は「誰かの幸せのために自分の時間を使う」ことです。
自分のしたことに対するお礼が多すぎれば「運を使った」ことになり、少なければ「運が貯まる」。同等のお礼ならプラマイゼロです。
挫折しがちな点と、その乗り越え方

自分にもできるかもと希望を持ち始めたころに水を差すような話ですが、実は「自分が貯めた運を使えずに終わってしまう人」もいるそうです。
どうしてもここで「自分で運を使えないなら意味ないわ…」とガッカリして諦めやすくなると思います。
なので、「貯めた運を使えない例」と「諦めず乗り越える方法」をここでお話しします。
貯めた運を使えない場合
戦争や時代の波など、自分ではどうしようもない理由で人生を終えなければならなかった方たちがいます。
このように、運を使えなかった場合は、次の世代に運が渡るそうです。
例えば、戦後の日本も高度成長期が訪れ、敗戦国とは思えないくらい目覚ましい発展を遂げました。これは、戦争で命を落としていった方達が貯めていた運があったからとも言えそうです。
そして先人からもらった運を使いきっただけで貯めようとしないと……
時代や世代でひとくくりにして恨みたくもなりますが、ここで諦めたり絶望せずに、考え方を変えてみることができます。
乗り越えるには「プラス思考」
「プラス思考になれ」って言葉、簡単に言うけど難しくないですか?私は心がけつつも出来ていませんでした。(断言)でも、この言葉の捉え方がこの本では違ったんですよね。
「プラス思考」とは、起こったことを必要な大切な経験だと思うこと。
不運だと思えることが起こったとき、これも自分にとって必要な経験なんだとスンナリ受け入れることは難しい場合、もう一つの「プラス思考」が役に立ちます。
「自分が生まれてきた時よりも、少しでもプラスのことを残して人生を終える」
小さな個人単位でも、一人の生き方や言葉一つで他人に活力を与えることもあるし、それが巡り巡って遠い誰かのプラスになるなんてことも普通にあります。
それに、起きたことのプラス面を探すのが難しくても、「今の自分ができることって何だろう」と切り替えて生きるだけでも、マイナス思考でなげくよりずっとプラスになるなぁと思いました。
「⦅略⦆あの人誰よりも運がいいなぁって誰からも思われる。だけど、本人にしてみたら、使った運は、自分が貯めた運のほんの一部分でしかない。そういう生き方ってかっこいいじゃないですか」
喜多川泰『運転者 未来を変える過去からの使者』
【感想】やることはシンプル、あとは納得できるかだけ

良かった点は上でも書いてきたので、ここで一つ批判的な意見をあげておきます。
少し引っかかったのは、「外因によって運を使えないまま終わってしまうことがある」という点を読者に納得させる説明が少し乏しいかなというところ。
実際この部分で「これも大きな時代の流れの一部であり次世代につながっている」と大局を感じ腑に落ちるかどうかは、読む人の人生ステージや心持ちによって違うと思います。なので、万人を納得させる説明を期待するのはそもそも酷なんですが…。
私は、基本的には「理論」「実践」に「感情」が伴ってはじめて効果が出ると思っています。
本書の「理論:運の仕組み」「実践:運を貯めキャッチする」はシンプルなので、あとは「感情:納得や腑に落ちる」が伴うかどうかだけ。
この本の根底にあるのは、引き寄せでよく言われる「ご機嫌でいる」「手放し(期待しない)」なので、たくさんの情報に触れてきた人ほど当たり前に感じるかもしれませんが、それでも新しい本や情報を得ようとしているなら、それはまだ納得がいっていないからなのかもしれません。
よく「引き寄せならこの一冊で充分」「どれも同じことを言っている」と言われますし、それは実際にそうだと思いますが、人によって納得できる言葉やタイミングは全く違います。
なので私的には、「あぁそうか」と腑に落ちるまで、色々な本を読んでみるのも一つの手だと思います。
最後に上と真逆のことを言うのも何ですが、引き寄せたいなら「一度離れてまったく関係のないことをする」のもおすすめです。
これも手放しや損得を考えないことに繋がるんですが、「引き寄せ研究者」でもない限り(笑)、引き寄せの方法ばかり探求する必要はないと思います。そもそも研究者や学者と呼ばれる人たちも、行き詰まったときは息抜きで散歩したり別のことをするって言いますしね。
ゆる〜く上機嫌で。それだけで運は貯まる!
さいごに
初めての本レビューというかまとめ?だったので熱くなって長くなりすぎました…。
今回は引き寄せ視点で本を読み解いていきましたが、人生が変わっていくポジティブな物語として普通に楽しめます。
- 人生を好転させる方法を知りたい
- 心温まる励ましのメッセージが欲しい
- 引き寄せを物語として読みたい
こういった方に優しく寄り添ってくれる一冊になると思います。
ご縁あって来てくださったあなたの幸せをお祈りしています。
この記事があなたにとって、少しでもヒントや癒しになりますように。